2025年7月21日
九州交響楽団特別演奏会~太宰府高校生音楽コンクール金賞受賞者特別共演に参加して~太宰府の地に音楽の新たな風が吹きわたる
2025年7月21日(月)14時から、天神のFFG(福岡銀行)ホールで標記の演奏会が開催されました。
福岡の新しい音楽文化の拠点として、2026年4月開学予定の福岡国際音楽大学(仮称)の開設準備委員会の特別企画の一環でした。学長予定の澤和樹先生(東京藝術大学第10代学長)からご招待いただき、参加いたしました。
第1部は第1回太宰府高校生音楽コンクール金賞受賞者と九州交響楽団の共演。指揮は澤和樹先生です。演奏者はフルートの髙吉柚理さんがモーツァルトのフルート協奏曲第1番、ヴァイオリンの中谷哲太朗さんがチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ピアノの小野口夕月さんがベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番から演奏しました。皆さん、プロのオーケストラとの共演は初めてのことでしたが、若き感性が迸った熱演に観客の皆さんから温かい拍手が送られました。
第2部はサクソフォン奏者の上野耕平さんです。アルゼンチン出身でバンドネオン奏者、作曲家のアストル・ピアソラの名曲リベルダンゴ他を演奏。会場は拍手喝采でした。サクソフォンと九響の共演もスリリングでクラッシックとジャズの融合したような演奏でした。指揮は澤先生です。
第3部も澤先生の指揮で、九州交響楽団によりチャイコフフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」が演奏されました。シェイクスピアの戯曲を題材としており、二人の愛と死を巡る劇的序曲です。夏の暑さを吹き飛ばすような演奏でした。澤先生の指揮は、劇的な中にも良く抑制された繊細な指揮ぶりでした。演奏会後には、希望する高校生と講師予定者の面談も実施されていました。
澤先生は演奏後の挨拶で次のような趣旨を述べられました。
「現在はAIが社会を支配し凌駕するかのようなことが報道されますが、音楽教育は人間の感性に重点を置いています。AIは、人間の持つ感性を越えることはできません。そのことを踏まえて福岡で新しい音楽教育を展開してまいります。ご指導ください。福岡国際音楽大学(仮称)でお会いできることを楽しみにしています。」
私は高等教育に興味があり、安藤塾を開催していますが、2024年9月に福岡県内の企業・団体14団体が福岡に4年生音楽大学の設立を支援する会が組織され、マスコミ報道もありました。また、澤先生からも報告をいただきましたので、当該大学の設立に興味をいだきました。高校生等を対象の説明会は、福岡市内のホテルオークラ、ニューオータニ博多で開催されましたが、会場は満員でした。2025年5月25日(日)には ヴァイオリン に廣津留すみれさん、歌手、舞台俳優の宇都宮直高氏との共演があり、澤先生の指揮で九州交響楽団との演奏(ドボルジャークの交響曲第8番他)があり、大盛況でした。
福岡国際音楽大学(仮称)は、著名な教授陣による教育、音楽だけではなく、エンタメ、ICT,マスメディアまで幅広い人材養成に合わせ、2024年9月には九州交響楽団と連携協定を締結しました。九響の講師陣が音楽教育を担当するのも大きな特徴です。開設母体は医療系大学・病院、福祉施設を展開する国際医療福祉大学・高邦会グループです。医療現場と連携して音楽療法も実践可能です。どのような経営企画を行っているのかその法人組織、意思決定システムに大変、興味があります。
学問の神様の太宰府天満宮や九州国立博物館が所在する太宰府市五条にどのような音楽文化の拠点が展開するか楽しみです。音楽学部音楽学科、入学定員80名です。
今後の動向に注目するとともに、澤先生の新たな挑戦に期待したいと思います。また、澤先生には福岡を中心に、澤カルテットの演奏会をお願いしたいと思います。
文責:安藤 公正(77期)