2026年9月20日
宇奈月温泉、立山、富山を巡る旅を満喫!
事件は現場で!宇奈月温泉木管事件!
克心会各位:
行楽のシーズンですが、皆さん、いかがお過ごしですか。私は9月13日から2泊3日の富山方面の観光旅行を行いました。今回の目的は宇奈月温泉の旅館延楽で開催の♪名曲掛け流しシリーズ第13弾♪澤クヮルテット×蓼沼恵美子氏によるラテンの情熱の演奏会を鑑賞することでしたが、会場がなんと宇奈月温泉です。黒部宇奈月温泉キャニオンルート一般開放記念行事でもありました。
宇奈月温泉と言えば、法学部に在籍した私達には、宇奈月温泉木管事件が想起されます。「権利の濫用」という文言を判決文の中で使い、所有権の濫用になる請求を許さなかった民事裁判事件として有名です。「権利の濫用の禁止」の法原則は、判例法として確立し、1947年の改正民法において第1条3項「権利ノ濫用ハ之ヲユルサス」(権利の濫用禁止)と成文法化され、すべての私権に適用される重要なものになっています。皆さんも法学部のテキストとして使用されるジュリストの判例百選で学ばれたことかと思います。今一度、有斐閣の「民法判例百選」(総則・物権)等の関連書籍をご覧ください。このような歴史的意義を持つため、事件の跡地に宇奈月温泉木管事件碑が建立されました。引湯管は宇奈月ダムの建設に伴い現地に近いうなづき湖畔に移設建立されています。宇奈月神社同様、法律を学ぶ方や司法試験を受験する方々は、この地を「民法の聖地」として訪れる人も多いようです。今回、木管の資料が展示されている場所の写真等も掲載します。また、黒部・宇奈月温泉観光局は2023年宇奈月温泉開湯100年を記念して宇奈月温泉木管事件をモチーフに「権利ノ濫用除お守り」の授与を毎月第一日曜日に開始しました。パワハラ、セクハラ等のハラスメント、嫌がらせやいじめに苦しむ人の心の支えになることを狙ったそうです。通販は受け付けず宇奈月神社にて授与を行うとのことです。(初穂料は1,500円)お守りにはドイツ民法に記載の権利濫用と同義の「シカーネ」の文字が入れられています。
さて、ラテンの情熱のコンサートは株式会社延楽(1937年創業)社長の濱田政利氏がメセナ活動の一環で開催されています。同氏は地元の名士で様々な肩書をお持ちのようで、セレネ(ギリシア神話に登場の月の女神)美術館の初代館長です。美術館には平山郁夫氏等7名の錚々たる日本画家が「黒部峡谷の大自然を絵画芸術を通して未来へ伝える」を基本理念に作品創作に取り組み、展示されています。現在、黒部市芸術創造センターセレネとして大・小ホール、会議室、美術館等の多機能空間が存在します。温泉の町にこのような大規模な複合芸術空間でコンサート等を展開される有志の皆さんの情熱を感じます。
今回のコンサートや澤クヮルテットに関しましては次のホームページを参照ください。
https://www.bechstein.co.jp/news/enraku-event-2026-0913-14
演奏曲目は、レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲、フォーレ:ピアノ四重奏No1ハ短調作品15、ラヴェル:弦楽四重奏曲です。
レスピーギは原曲は弦楽合奏ですが、弦楽四重奏による演奏は新鮮味がありました。第3曲の「シチリアーナ」は平原綾香さんのアルバム「そら」に収録されています。
フォーレは第1楽章のアレグロはピアノと弦の響き、第2楽章は魅力的なスケルツォ、弦のピチカートが心地よく軽やかでふくよかな演奏です。第3楽章は悲しみのアダージョ、第4楽章は生命力に満たされた演奏でした。蓼沼氏のピアノが大変素晴らしくピアノとヴィオラ、チェロ、ヴァイオリンの融合が素敵でした。ドイツ製のベヒシュタインのピアノは、ぬくもりのある音色が特徴とのことで、延楽の文化サロン「清渓」に設置されています。蓼沼氏の演奏を十分引き出す木のぬくもりを感じる響きは参加された聴衆の皆さんを優しく包みました。今後も「名曲掛け流しシリーズ」が大いに楽しみです。
ラヴェルの第1楽章は穏やかに開始。第2楽章はスケルツォでピッツイカートが素敵です。第3楽章は第2楽章同様、弱音器が使用され、むせび泣くような響きです。大変、穏やかです。第4楽章は生き生きとしたロンドで疾走します。まさに、ラテンの情熱にふさわしい曲目です。アンコール曲はビゼーのオペラ「カルメン」からハバネラでした。本当に心ウキウキと満たされました。
延楽については次のホームページをご覧ください。
https://www.bechstein.co.jp/news/enraku-event-2026-0913-14
2日目の早朝、延楽さんが企画のウォーキングに参加。濱田社長が自ら案内役で宇奈月温泉、立山に関する話等興味深くかつ情熱的に語ってくださいました。また、ウォーキングの最中にトロッコ列車が通過する場面もありました。水力発電開発に尽力された方が九州出身(山田胖氏)であることや黒部ダム開発に多くの人材と資金が投入されたこと等触れていただきました。駅のそばには黒部川電気記念館もあり、電源開発と水力開発が学べます。
2日目は温泉街と立山のトロッコ列車(宇奈月から猫又)で観光を行ない、知人の車で富山に向かいました。3日目は富山の観光スポットである富山市ガラス美術館等を案内いただきました。音楽、観光、食、温泉を堪能しました。皆さんも、是非、行楽の季節を楽しむとともに、法学に関する旅や関連の土地を巡るのも興味深いかもしれません。
付記:澤和樹先生は、2016年東京藝術大学長に就任、2022年から同大学名誉教授。2026年4月から福岡国際音楽学長に就任。なお、西南コミュニテーセンターでの早期教育プロジェクト、大学チャペルでの澤クヮルテットのコンサートも開催されました。また、西南学院大学の学生・教職員対象にフォーカス・ウィークでメッセージと演奏を披露いただきました。ライフ・ワークとしての澤クヮルテットと蓼沼恵美子氏によるヴァイオリン・ピアノデュオとともに演奏活動を継続して展開されています。澤先生につきましては、マイナビ新書から発刊の「教養として学んでおきたいクラシック音楽」を是非、ご一読ください。私の推し本です。
文責:77期:安藤公正

























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