西南学院コンサート オルガンコンサート2024年に参加して
文責:安藤公正(77期)
9月14日(土)14時から西南学院大学チャペルにおいて標記コンサートが開催されました。今回のコンサートタイトルは荘厳なパイプオルガンの響き~ひと足早い秋風と共に~ですが秋の気配感じさせない熱き演奏でした。オルガン演奏は、西南学院オルガニストの福田のぞみさんです。
会場は1階・2階席とも満員に近い状況でした。お子様連れから年配の方まで幅広い年代層が参加されました。
プログラムはJ.S.バッハの初期の作品であるプレリュードとフーガ ハ長調 BWV531。足鍵盤のソロでスタート。1曲が終わり福田さんは挨拶の中で大学チャペルに設置されたオルガン(1987年建造)について説明するとともに製作者の故・辻宏氏や現在、オルガン調律を委託している藤吉正吾さんにも触れられるとともに、新チャペル建設に伴うオルガンに移設についても報告されました。
2曲目はバッハから一転してカッコウの鳴き声が主題となったカッコウによるカプリチオ(奇想曲)です。次は更にギアを上げ「ぶんぶん」による変奏曲です。様々な蜂が登場します。終曲はさながらリムスキー=コルサコフ作曲の熊蜂の飛行です。夏の暑さを吹き飛ばしてくれました。
次いで4つの猫組曲は幻想的、コミカルでお道化た感じの曲風、手を交差して演奏する曲、ディズニー風のマーチ等を堪能しました。本当にプログラムが多種多彩です。
そして後半は日本に最初に翻訳された代表的な讃美歌である「主 我を愛す」によるファンタジー、ペンテコステを祈念する曲の「来たれ、創り主にして聖霊なる神」、定番の「聖なる聖なる」と続き、最後は力強く神を讃え、魂の平安を願うイギリスの大聖堂を想起させる、「今ぞ我ら、すべてのものの神に感謝せん」でした。この曲は2023年に天に召されたCh.キャラハンを偲び福田さんが熱演され、オルガンの響きがチャペル全体に響きわたりました。
福田さんは、讃美歌についてクリスチャンとしてのお立場で曲の背景等についてもわかりやすく語っていただきました。キリスト教の大学に相応しい渾身のプログラムでもありました。
なお、今回の学院コンサートは久しぶりに入場制限もなくしかも無料で開催されました。自由募金を募り、献金は日本国際飢餓対策機構、日本キリスト教協議会に献金されるとのことです。市民の方にオルガンの響きを楽しんでいただくというコンサートの目的に沿った企画でした。
福田さんは、今回のオルガンコンサートに際して西南学院は地域に開かれ、奉仕する教育機関であるとの思いを抱いて心を込めて演奏させていただきますと述べられたことがあります。
改めて福田のぞみさんをはじめ、関係各位に御礼申しあげます。
なお、今回のオルガンコンサートの素晴らしい背景には、オルガンビルダーの藤吉正吾さんご夫妻のオルガンメンテナンスがあります。お二人は演奏会の1週間前くらいから来校され、調律作業を担当いただいた成果が挙げられると思います。幾ら、演奏が素晴らしくても調律が十分でないといけませんね。
お二人とは私が西南学院に勤務時代からお付き合いがありました。オルガンコンサートの写真とともに掲載いたします。
克心会の皆様も是非、次回のオルガンコンサートには案内しますので、ご参加ください。